5/19/2020

クープランの墓

前回のシェルターインプレイスの記からずっと同じ生活していたのでこんなに更新していなかったとは自分でもびっくり。みんな暇だ暇だと言うけれどなぜかワタシはずっと忙しくしていた。ピアノのレッスンの仕事はオンラインでやっている。大学院はピアノの試験の代わりにビデオ作り。これが思いのほか大変だった。何度も何度も撮り直していると集中力も落ちてくるのでミスが増えてかえって撮り直しに。それが数日続いて疲れた〜

それから24ページの音楽理論の論文をやっと出した。書くことは好き。美味しいコーヒーをいれて。こちらも続けていきたいなと思った。あまりおもしろい写真ではないが、せっかくがんばったので載せておこうっと。書式さえよくわかっていなかった2年前のワタシには考えられなかったな。何歳だろうと、やってみようかな?と思ったらそれがその人のタイミング、なんでもやってみるべきですね。

勉強の合間に作ったサルサ。

ワタシの音楽理論の論文は、ラヴェルの「クープランの墓。」日本語訳は昔からなぜか墓となっているがトンボーとは昔の亡くなった著名人を追悼する音楽のことでバロック時代にはよく作曲され演奏されたがいつの間にか消えた。クープランはラモーとともにフランスを代表するバロックの作曲家でハープシコード(クラヴサン)の曲をたくさん残している。ラヴェルのクープランの墓は直接的なクープランへのオマージュではなくクープラン様式のハープシコードのテクニックを盛り込んだ、フランスが輝いていた時代の文化へのオマージュ。戦争で亡くなった友人たちの追悼と、亡くなったお母さんに教わったバスク地方のメロディー、失われたフランスの昔のダンスや音楽、ラヴェルのいろいろな思いが詰まったピアノ組曲となっている。レクイエムや葬送曲を書くのではなくこのような誰も想像できなかった世界を作り上げるなんて!ラヴェルは難しい、わからない、へんなの、って音だけを聴いて思ってしまってはもったいないな。何ごともそうだけど、知らないから難しいのだけなのだな。6曲それぞれ亡くなった友人に捧げられている。ラヴェルは戦争のあとどん底に落ち込んでこの曲を書くことでやっと這い上がることができた。悲しい背景、悲しいトーンではあるけれどバロック時代の様式やハープシコードのテクニックがあちこちに散りばめられていて宝さがしのような素敵な曲でもある。


ワタシの論文の画面です、、

ラヴェルの特徴は、音はモダンなのに
昔の教会旋法=モード、がたくさん使われていて
どこか懐かしいような響きがすることと、
様式を見るとバロックやクラシックの時代、かなり古典派。
Old&New、そこがおもしろい。
あ、今頃ミススペル見つけちゃった、、

前からiPadで楽譜を見るのに使っている
日本のPiascoreという無料のアプリ、すばらしい!
今まで楽譜作成は手書きの楽譜しか使っていなかったけど
今回はこうやって入力して使った。
楽譜作成ソフトのシベリウスやフィナーレは高価なうえ
ワタシにはプロフェッショナルすぎて
これでじゅうぶんだった。

ラヴェルのリゴドンとの比較に使った
ジャンフィリップ・ラモーの
ハープシコードの楽譜が画像がこんな感じで
クリアでなかったので、
上のように自分で打ち直したワケ。


下にフットノートをつけて、と。

ワタシのお気に入りはメヌエットにまつわるストーリー。
鳥の鳴き声のようなこの装飾音はラヴェルが第一次大戦の時に
激戦地でとつぜん爆音がやんだ時に静寂の中で
ふっと聞こえた鳥の鳴き声なのだ。
極限状態の中で聞いた忘れられないこの音をメヌエットの中に再現して
兵士として戦って亡くなった友人への追悼にしたラヴェル。
それを知ってからこの小さな音をたいへん特別なものに感じ
なかなかうまく弾けなくなってしまった。